広報とブランディング
広報とブランディングは切っても切り離せない関係
今回は、「ブランディング」についてお話しします。
「ブランディング」とは
ユーザー共通のブランド認知を醸成すること
で、マーケティング戦略のひとつ。
広報とは異なりますが、このふたつは密接な関係にあります。
企業が良い商品やサービスを生み出しても、その良さを消費者に正しく受け取ってもらうことは難しいのは、広報担当者ならば身に染みて分かっていることだと思います。
特に、世の中に商品やサービスが飽和している現代は、価格やクオリティーで差別化がしづらい時代。
「この企業のこの商品だから、買おう」と想起してもらえるような付加価値を創造するには、広報活動においてもブランディングを意識する必要があります。
何を言うかより「誰が言うか」
ブランディングに欠かせないのは、
「共感」と「信頼感」。
「うちの商品(サービス)はすごいんです!」とただアピールするだけでは、消費者には “宣伝” と受け取られてしまうのが事実です。
もちろん宣伝は重要な企業活動のひとつですが、共感や信頼感がまったくない状態で宣伝されても、心には留まりづらいですよね。
理想は、
「この企業の、こんなところに共感する(信頼感を抱く)。
だから、きっと商品(サービス)も良いはずだ」
と思ってもらえる状態をつくること。
広報のストーリーやステークホルダーとのコミュニケーションを設計するときは、
「共感できるか?」「信頼してもらえそうか?」
を判断軸にするとよさそうです。
インナーブランディングにも目を向けよう
自社や自社の商品・サービスについて聞かれたとき、あなたの会社のメンバーは誇りを持って話すことができるでしょうか?
セールスに関わっている人なら慣れているかもしれませんが、バックオフィスの社員でも、同じくらいのレベルで語れるといいなと思います。なぜなら、それこそが全員広報への近道だから。
社員が自発的に会社のことを語りたくなる企業は、社内のSNS人口が高い傾向にあります。
FacebookやTwitter、noteなど、今は簡単に自分のメディアを持つことができる時代。一人ひとりのメンバーが広報のような役割を担うことで、情報拡散力は格段に上がります。
もし、
「会社について語ることができるメンバーは一握りしかいない」
「SNSに強いメンバーが少なく、企業として発信しても情報がほとんど拡散されない」
という状態なら、
社内に向けた「インナーブランディング」にも目を向けてみる
必要がありそう。
現状把握をしてみよう
ここでも重要になるのが、「共感」と「信頼感」。
どんな企業にも、「企業理念」や「ミッション」などという言葉で表現される
“WHY(存在意義)” があります。
そして、WHYによって “WHO(自分たちは何者なのか)” が規定されます。
現状の把握については、
- 企業理念が正しく浸透しているか
- 企業理念は会社の現状に即しているか(共感)
- 実際に企業理念に沿った行動をしているか(信頼感)
というポイントで考えてみるといいでしょう。
広報担当者が普段からできること
インナーブランディングは重要ですが、会社によってはそれだけでひとつの部署があるくらいの大掛かりなプロジェクトでもあります。
最後に、広報担当者が普段からコツコツできるブランディング×広報についても、少し考えてみました。
それは、
プレスリリースに用いる文体や使う言葉 = 企業のセリフだと意識する
こと。
プレスリリースを書くのは広報であるあなた自身ですが、それを受け取るメディアやユーザーには、企業が話していると思われていることを忘れないようにしましょう。
共感するストーリーを仕立て、
信頼感のある姿勢を貫き、
“企業の声” で再生されるようなプレスリリースを発信すること。
それが、広報にできるいちばんのブランディングかもしれません。